怒り、という感情。
私たちは誰しもこの感情から逃れることはできませんね。
よく悪者にされてしまうこの感情ですが、100%悪者ではありません。
悪者にしてしまうか否かの分かれ道、それは、自分が怒りをどのように扱うか、にかかっています。
その取扱いによって悪者にもなれば力にもなる、と。

ここでひとつの例を見てみましょう。

他者の何気ない一言にカチンとき「もうこの人、嫌っ」と、その人とはもうつきあわない。

よくある、とても残念なシチュエーションです。

どれだけその他者とのつきあいがあろうとも、楽しい時間を過ごしてこようとも、親切にされていたとしても、そのたった何気ない一言だけでその他者を「嫌な人」認定し交流を切ってしまう。

この傾向がある場合、残念ながら他者と長らくの関わりを持つことは難しくなってしまいますね。
とてももったいないことです。

「だってあの人がこう言ったから」「あの人がそう振る舞ったから」と、嫌になった理由は他者にある、というのもこの傾向の「あるある」です。

つまり、言い分は端的に言うとこうなります。
「あの人がこう言った(こう振る舞った)のが癪にさわった。だから私はもうあの人とはつきあわない」

と、まぁこんな調子です。
こうして何人もの人を自分から遠ざけていきます。



つきあいを切ろうとする前にちょっと考えてみるのはどうでしょう。

その怒りの元、実は自分にあるのではないか、と。
ただ単に自分の何かを相手に投影し、それに怒っているだけなのではないか、と。
だとすれば、相手に怒っているのではなく、実は怒りの種は自分。
自分が種を持っているのだとすれば、相手のせいにする前にまずは自分を振り返る作業が必要です。

他者のせいにしていれば自分は(その時は)傷を負わずにすみますが、長い目で見ると大傷を負うのは自分の方。
せっかくご縁をいただいてつながった人間関係を、自分の怒りで切っていくのは本当にもったいないことです。


こんなふうに怒りを使うことは可能な限り避けたいものです。