一昨日も雨、昨日も雨、そして今日も。。
いいかげん、おてんとうさまにお目にかかりたい!
切に願う今日この頃です


さて、皆さんは「性差医療」ということば、耳にされたことはあるでしょうか。
その名の通り、性差を意識した医療、ということなんですが、女性外来を開いている医療機関をご存じの方もいらっしゃるかもしれませんね。
ざっくりご説明すると、女性と男性とで経過が違ったり、ジェンダーとの関連があったりする病を治療・予防する際、この性差の視点がとても重要であるということなんです。


翻って、しおりのような福祉の業界での状況は?というと。
性差を意識した「性差福祉」。
あまり聞いたことはないですね。
あまりというか、全く、、。
う~ん、、、「フェミニストソーシャルワーク」とか「女性福祉」などということばがないでもないですが、実際、さまざまな現場ではどこまで取り入れられているのかは何とも言えません。

とはいえ、やはり性差の違いは回復を目指す過程で無視できるものではありません。
たとえば、女性には生理がありその周期によって気分や体調に変化が出る場合がありますね。
生理前になると依存物質への渇望が大きくなる、だったり、うつ症状がひどくなるだったり、やけに食べたくなったり。
また更年期というものもあります。
男性にもあると言われていますが、その影響は女性と比較にはならないでしょう。
更年期には頭痛、肩こり、めまい、気分の乱高下などなど、心身あわせてさまざまな症状が出てきます。

女性の回復には、こうした女性ならではの視点をふまえたプロセスが、本来、必須なわけです。

こうした生物学的な違いに加え、ジェンダーの視点も重要です。
たとえば同一労働の場合、女性の賃金は男性のそれと比較し7割から8割程度とされており、女性が自立を試みる際には大きな問題となって立ちはだかります。
子育ては女性の役割、という概念。
小さい子どもを育てながら、どうやって働こう(稼ごう)か?
しかも男性より低い賃金で?
介護も女性の役割、というのもありますね。
娘は介護するのが当たり前、などという。

こうした一般に「当たり前」とされている文化や慣習にとらわれて、「そうじゃない私がダメなんだ」「私がいけないんだ」とつらい身体に鞭打って動いてみたり、罪悪感にさいなまれてみたり、眠れない夜に苦しんだり。。
誰に相談していいのかも見当がつかず(相談していいとも思いつかず)、一人で抱え込んで悶々としてみたり。。


こういう生物学的なもの、ジェンダー的なもの、すべてをひっくるめて女性という性を持つ一人の人間が回復する過程に何が必要なのか。
また援助者はどのような関わりが求められるのか。


ひとの回復(リカバリー)とは、単に頭痛がおさまる、傷口が閉じる、うつ症状が軽くなるなどの一部分的なものをいうのではなく、症状が軽くなることはもちろん、自立・自律、生き方、考え方、ありよう、スピリチュアリティなど、そのひと全体を包括した様を指すのでしょう。
だとしたら、やはり「性差福祉」の視点は欠くことが出来ません。


しおりは今日も女性に特化した場であり続けます。
昨日も笑いが絶えない場だったけれど、はてさて、今日のしおりはどうなることやら、、、